あしたば法律日記

船橋の ”あしたば法律事務所” の弁護士が、皆さんに身近な法律をテーマに語ります

カネボウの美白化粧品による白斑被害の問題

ご無沙汰しております。

ずっと記事を更新しておらず、申し訳ありませんでした。

また、定期的にお伝えしていきたいと思います。

 

さて、今日は、カネボウの美白化粧品による白斑被害の問題です。

もう皆さまもご存じのことと思いますが、

カネボウと関係会社が製造・販売していた美白化粧品のうち、

「ロドデノール」という美白成分が含まれているものについて、

使用者に白斑(はくはん)の被害が生じていたことが確認されています。

 

いまだ治療法が研究段階であり、

白斑を生じた方々は、いつ治るのか、どうすれば治るのか等について

心を痛めておられることと思います。

 

また、適切な賠償金をカネボウ等に請求したいという方もいらっしゃると思います。

現在、カネボウは、領収証等があれば、商品代金や治療費、交通費を被害者に支払うという方針をとっていますが、それ以外の、例えば慰謝料といった損害については「治ったら検討します」という対応をしています。

治るまできちんと対応してもらうのは当然としても、それまで支払われるのが実費だけということに不満を持つ方もおられるかもしれません。

 

そのような方のため、千葉県弁護士会では、

カネボウ美白化粧品白斑被害対策千葉弁護団」を結成しました。

私も、団員の1人です。

 

ご希望の方には、個別に相談の機会を設けるなど、

対応させていただきたいと思います。

 

詳しくは、こちらのホームページをご覧ください。

(URL:http://hakuhan-chiba.jimdo.com/

 

クラウドソーシングの法律問題(2) ―請負? 売買?

Aさんは、クラウドソーシングを利用して、Bさんに、自分の名刺を100枚発注しました。出来上がったものが送られてきて、Aさんが確認したところ、名刺の裏面に印刷されていた地図のAさん宅の場所がずれていました。Aさんは、Bさんにやり直しを依頼したところ、Bさんは不可抗力だから直す義務はないと言ってきました。

 

このAさんとBさんとの契約は、名刺を作ってもらうという請負契約でしょうか、それとも名刺を売ってもらうという売買契約でしょうか。今日のお話はここが問題となります。

民法では、請負とされるか、売買とされるかによって、効果が変わるものがあります。

その1つが、瑕疵修補請求権(かししゅうほせいきゅうけん)というものです。

これは、 渡された物に瑕疵(欠陥)があったときに、それを直してくれといえる権利です。

当然認められるでしょ、と思われるかもしれませんが、そうではありません。

民法上、請負契約では瑕疵修補請求権が認められていますが、売買契約では瑕疵修補請求権が認められていないのです(※)。

売買契約だとされたら、後は解除するか損害賠償を請求するしかありません。

 

では、請負契約か売買契約かはどのようにして決まるのでしょうか。

これまでの裁判例をみてみると、次のような要素で判断されるようです。

①材料を誰が用意したのか

 →注文した人が用意したとなると、請負契約と判断されやすくなります。

②作られた物に独自性があるか(他でも容易に調達できるものか)

 →他では調達できないとなると、請負契約と判断されやすくなります。

これは、完成物を「渡す」こと(売買)か、そもそもある特定の物を「作り出す」こと(請負)か、どちらが契約上重要だったのかを見極めようという観点だと思われます。

この観点からすると、先の事例では、①材料となる紙はBさんが用意したのでしょうが、②Aさんの名刺はそこらで売っていて調達できるということはないでしょうから(イチから作らないといけない)、独自性があるといえ、ある特定の物を作り出すことが契約上重要であったといえます。

したがって、AさんとBさんの契約は請負と判断され、Bさんは名刺の作り直しをしなければならない可能性が高いと思われます。

ともあれ、これは一般的な話にとどまりますので、個別のケースでは、他の理由によってBさんが直さなくてもよいという判断になることもあります。

お悩みの方は、あしたば法律事務所の弁護士にご相談ください。

→ホームページはこちら

 クラウドソーシングの法律問題のページはこちら

 

(※)特約で瑕疵修補請求権を認めていれば、もちろん別問題です。

地元の弁護士に依頼するメリット

このブログをご覧になっている皆さんの中には、

どこの事務所に相談しても一緒でしょ。それに、東京の方が弁護士がたくさんいるし、弁護士が大勢いる事務所の方が安心でしょ。」

と考えておられる方も多いかもしれません。

いえいえ、今日は、地元の弁護士に依頼するメリットについて考えてみたいと思います。

まず、1つ目に、相談するのに手間がかからないということが挙げられます。

地元の弁護士であれば、わざわざ遠出しなくても相談できるので、事務所に出かけるのがおっくうになりません。

次に、民事訴訟の管轄の問題もあります。

例えば、借金を返してほしいという裁判を起こす場合、相手方の住所の近くの裁判所の他に、通常、自分の住所の近くの裁判所にも起こすことができます。

(ざっくり言うと、通常、借金を返済する場所は貸した人の家であることが多いので、ここで訴訟をするのを認めることが便利でしょう、という考えです)

自分の住所の近くの裁判所で裁判ができれば、自分の裁判を見たい時に見ることができますし、本人尋問といって原告・被告・裁判官から質問を受けるという手続をするときも近くて便利です。

このように、地元で裁判をするのに、離れたところの弁護士に依頼すると、その弁護士は毎回、遠出して裁判に行かなければなりません。交通費や出張費もかかることが多いです。

地元の弁護士に依頼すれば、そのような負担はかかりません。

でも、地元の弁護士に相談に行くと、途中で知り合いに会ったり見られたりして恥ずかしい、という方もいるかもしれません。

そこはご安心を。当事務所は、通りから階段を上って2階の奥にありますから、目立ちません。しかも隣は美容室なので、万が一、通りで知り合いに見られても、美容室に行ったのかな、くらいにしか思われません。

というわけで、地元の方も気にせず「船橋駅北口徒歩3分、あしたば法律事務所」においでください。

なお、あしたば法律事務所は、船橋市を管轄する市川の簡易裁判所だけでなく、東京地方裁判所千葉地方裁判所の管轄となる事件でも、出張費はいただきませんので、その点もご安心ください。

最後に。「大勢の弁護士がいる事務所の方が安心」と思っている方へ。

大勢の弁護士がいる、ということは、大勢の弁護士を食べさせるだけの報酬を稼がなければならない、ということです。

1人1人の弁護士がきちんと対応してくれているところはいいですが、とにかく数をこなそうと、弁護士がまともに対応せず、弁護士以上に人数のいる事務局員が対応してばかりという事務所もあります。

また、弁護士の数が少ない方が、個人の判断だけで動けるので、機動力があるということも考えられます。

あしたば法律事務所は、どの事件についても弁護士が対応しますので、ご安心ください。

結局、あしたば法律事務所の宣伝になってしまいましたが、大きいところばかりがいいわけじゃない、地元にもいい弁護士はたくさんいます、ということを分かってほしかったのです。

それでは。

(地元の方もそうでない方も、法律相談はあしたば法律事務所へ→ホームページ